アメリカのリタイアメント(老後資金)についての記事を読んでいると、どの専門家もだいたい次のようなことを言っています。
401k などの貯蓄は 毎年4%ずつ取り崩すのが安全ライン
年収の10年分 が貯められたら、ひとまず老後も安心
インフレで生活費は上がるから、とにかく貯金(など)を増やせ!
なんなら「一般人は一生働く気持ちでいましょう(笑)」
私もそろそろリタイアメントを現実的に考える年齢になってきました。
そこで、「Social Security(社会保障)」がいくらもらえるのか、自分の支出とどうバランスを取るのかを試しに計算してみました。
月 2,000ドル不足なら、30年で必要な金額は?
たとえば今の生活費を基準にして、
SS を受け取っても毎月 2,000ドル足りない と仮定してみます。
これが 30年間 続くとすると、
2,000ドル × 12ヶ月 × 30年 = 720,000ドル
という数字になります。
しかし、この計算は “いまの価値の 2,000ドル” をそのまま未来に当てはめた場合です。
ここに インフレ が入ってくると話は全く変わります。
アメリカの物価上昇率(CPI)を見ると…
過去の消費者物価指数(CPI)をふり返ると、かなり衝撃的な事実がわかります。
過去10年:+37%
過去20年:+約70%
過去30年:+約100%(ほぼ2倍)
実際、私自身の家賃もこの10年で 確実に 3~4割 上がっています。
(ちなみに:LA areaの戸建ての住宅価格は30年で3−4倍なので、異次元の上昇。別枠)
つまり「今の 2,000ドル」は、
10年後には 2,700~3,000ドル の価値が必要になり、
20年後には 3,400ドル以上 を覚悟しなければならないということです。
じゃあ、インフレに勝つには? 投資は必要だけどリスクもある
401k や IRA に入れておけば、ある程度は投資で長期的に増えていきます。
これが インフレと利息の “相殺” になってくれる こともあります。
ただし、投資ですから当然ながら
市場が下がる年もある
タイミングによっては損をする
というリスクも無視できません。
資金を「全部投資に入れるのが正解」「現金がいい」という二択ではなく、
年齢やリスク許容度に応じてバランスを考える必要があります。
お金のことばっかりでギスギス気分を和らげる:ピースウイングTシャツストアリンク

Annuity(年金保険)という選択肢もあるけれど…
世の中には老後不安に対応する金融商品が多くあり、そのひとつが Annuity(アニュイティ) です。
💡 Annuity(アニュイティ)とは?
(簡潔に、でもわかりやすく説明)
ざっくり言えば 「保険会社にお金を預けて、将来決まった金額を一生または一定期間もらえる仕組み」
年金のように 安定したキャッシュフローが得られる
元本保証があるタイプ・ないタイプ
市場と連動して増えるタイプ
など種類が多い
メリット:
投資が不安な人でも 収入が安定する
長生きリスク(お金が尽きる不安)に備えられる
デメリット:
手数料が非常に高いものがある
途中解約が難しく、自由度が低い
販売員のコミッションが大きいため、
“本当にあなたに必要か” より「売りたい側の事情」が働くことも
もちろん、営業する人が報酬を得るのは悪いことではありません。
ただし “知らないまま契約すると損をする(気分にもなる)可能性がある商品” でもあります。
リタイアメントを意識するようになってからは、
極力ムダ遣いを減らし、健康寿命をのばすことの大切さをより感じるようになりました。
最終的には、“ピンピンころり” を目指して、無理なく、楽しく、自分のペースで生きたいものです。
結局のところ…?
リタイアメントを考えると、
インフレで生活費はどんどん上がる
投資にはリスクがある
金融商品は複雑で、必ずしも万人向けではない
Social Security だけでは足りない
という現実が見えてきます。
だからこそ、
「自分の数字」で一度シミュレーションしてみることがとても大切。
無理のない範囲で貯めつつ、
パートを続けたり、受給開始をずらしたり、
あなた自身に合った戦略を考えていくのが一番現実的なのかな、と思っています。
