ロサンゼルス周辺では、2020年から2026年夏までに物価全体が約29%上昇。
スーパーで買う食料品に限れば、約32%も上がっています。
つまり2020年に$100で買えていた食料品が、単純計算では今や$132ほど。
そりゃ、
「最近スーパー行くたび高くない?」
と思うわけです。

そこで庶民の私が思う、今いちばん手っ取り早くできる家計防衛。
それは、
外で買う食事を少し減らして、買った食材をちゃんと使い切ること。
地味です。
非常に地味です。
でも、家賃や保険料、ガソリン代は自分ではなかなかコントロールできませんが、食費にはまだ工夫できる余地があります。
しかも自炊は、節約だけでなく健康にもつながる。
今さらですが、
料理+後片付け能力、物価高時代にはなかなか強いスキルなのではないでしょうか。
いらないサブスク? そもそも入ってないんですけど
節約記事でよく見るのが、
「まずは使っていないサブスクを解約しましょう」
というアドバイス。
なるほど。
NetflixにSpotify、謎のアプリに謎のMembership。
……しかし、
そもそもいらないサブスクなんて取ってませんよ。
という人もいるでしょう。
私もそちらです。
となると、日常生活の中で比較的すぐに手をつけられるのが食費。
特に今のアメリカでは、ちょっとしたサンドイッチと飲み物を買っただけで、
「え、これで一人$20?」
ということが珍しくありません。
高級レストランじゃないんですよ。
普通のランチです。
さらにTax、場合によってはTip。
食べ終わったあと、
「……私、今何に$20払った?」
となることがあります。
2020年以降のインフレは確かに強烈。ただし歴史的には1970年代のほうがさらに激しく、1975〜1980年のLA圏では、わずか5年間で物価が約54%上昇していました。一方、2010〜2015年は約7%。ここ10年ほどで、私たちは再び「物価が目に見えて上がる時代」に戻ってきたとも言えます。ちなみにその頃の物価上昇はやっぱり石油がらみです。第一次オイルショック後のインフレが治らないうちに、金融政策の緩さとインフレ期待が定着し、そこへ第二次オイルショックが直撃した
カリフォルニアでは、家で食べる食材はSales Taxも基本かからない
カリフォルニアでは、スーパーで買う肉、野菜、乳製品など一般的な食料品の多くはSales Taxの対象外です。
これはありがたい。
外で調理済みのものを買えば、商品価格そのものが高いだけでなく、TaxやTipも加わることがあります。
一方、家で作れば、
肉を少なめにする。
野菜を増やす。
残っている豆腐を入れる。
昨日のご飯を使う。
と、かなり融通がききます。
物価高になればなるほど、この差はじわじわ効いてきます。
自炊できると「冷蔵庫の残り物」が食事に変わる
私は日本で、毎日料理をしていた母のもとで育ちました。
周囲もそんな家庭が多かったので、
「家でご飯を作る」
ということ自体はごく普通でした。
とはいえ、自分が実際に毎日作る側になると、
結構大変です。
何を作るか考える。
材料を切る。
料理する。
食べる。
そして待っている洗い物。
食べる時間15分。
作る時間30分。
片付け15分。
……なかなか割に合わない。
最初の頃は、
「毎日こんなことするんですか」
と思いました。
しかし長年続けると、人間というのは慣れるものです。
今では冷蔵庫を開けて、
「鶏肉ちょっと、玉ねぎ半分、ブロッコリー、卵がありますね」
くらいでも、なんとか一食になります。
和食。
中華。
メキシカン。
イタリアン。
アメリカン。
正確な作り方がわからなければ検索。
今ならAIに、
「この材料で何作れる?」
と聞くことまでできます。
便利な時代になりました。
アメリカのレシピ、誰がこんなに食うねん
ただしアメリカのレシピを検索すると、毎回ひとつ困ることがあります。
量が多い。
Serves 6。
Serves 8。
場合によっては12。
誰がこんなに食うねん。
何人家族やねん。
毎晩パーティーなのか。
ということで、私はかなり普通に、
1/2。
1/4。
時には、
1/8。
まで減らします。
レシピ通り大量に作ってしまって、
1日目「おいしい」
2日目「まあ、おいしい」
3日目「またこれか」
4日目「……」
となり、
最後に冷蔵庫の奥で化石になる。
これでは節約になりません。
安く買うことも大事ですが、
食費節約でかなり大切なのは「食べ物を捨てないこと」
だと思っています。
翌日のランチまで食べるなら2食分。
冷凍できるなら少し多め。
その程度にコントロールする。
これだけでも、食材ロスはかなり減ります。
「アメリカ人は料理しない」も少し変わってきた?
長年アメリカに住んでいる印象としては、日本より外食やテイクアウトを日常的に使う文化が強いと感じます。
昔のアメリカのドラマでも、彼氏のために甲斐甲斐しく料理をする女性に、
「この時代にそんな良妻みたいなことして何やってるの?」
的な茶々が入る場面を何度か見た記憶があります。
『Gilmore Girls』なんかにも、そんな空気があったような。
料理は時間がかかる。
後片付けも面倒。
効率重視で考えれば、
「買ってくればよくない?」
となるのもわかります。
でも最近はSNSのおかげで、この辺も少し変わってきた気がします。
Instagram、TikTok、YouTubeには料理系インフルエンサーが山ほどいます。
「材料3つ」
「10分で完成」
「高タンパク」
「フライパンひとつ」
みたいなレシピもたくさん。
ティーンがSNSで見つけた簡単で健康的なレシピを真似して作る、なんてことも今では珍しくありません。
私も結構参考にしています。
昔のように分厚い料理本を開かなくても、30秒の動画を見ればなんとなく作れてしまう。
自炊のハードル自体は、むしろ昔より下がっているのかもしれません。
でも「節約するより稼げ」って言う人いるよね
こういう話を書くと、
「そんなチマチマ節約するより、もっとお金を稼ぐ努力をしたほうがいい」
なんて言う人もいるでしょう。
はいはい。
もちろん収入が増えれば、それに越したことはありません。
でも、
収入を増やすことと、$20のサンドイッチを毎回買わないことは両立します。
なぜどちらか一つを選ばなければならないのでしょう。
年間で何千ドル余計に食費を払って、
「私は節約なんかしません。稼ぐから」
と言っていても、稼いだ分が全部出ていったら同じです。
しかも自炊には、節約以外のメリットもあります。
何を入れたかわかる。
塩分を減らせる。
野菜を増やせる。
油の量を調整できる。
余計な添加物を避けやすい。
残り物を使い切れる。
そして何より、
腹が減ったときに、家にあるもので何かを生み出せる。
これはなかなか便利です。
節約とは「我慢」ではなく、余計なお金を払わない技術
節約というと、
「欲しいものを我慢する」
「安いものだけ食べる」
「楽しみを削る」
というイメージがあります。
でも私はむしろ、
余計なお金を払わない技術
だと思っています。
外で$20払うところを、家にある食材で数ドルで済ませる。
買った野菜を腐らせない。
大量に作りすぎない。
翌日のランチまで計算して作る。
冷蔵庫の中身を見てから買い物へ行く。
ひとつひとつは小さいことです。
でも2020年から食料品が約3割上がった今、
昔と同じ買い方、同じ食べ方をしていれば、自然と支出は増えていきます。
家賃は簡単には下げられません。
ガソリン価格も自分では決められません。
保険会社にも、
「ちょっと高いので今月半額で」
とは言えません。
でも食費には、まだ自分で動かせる部分がある。
だから私は、
物価高時代にまず身につけたい家計防衛スキルは、料理そのものよりも「家にある食材を使い切る能力」なのではないか
と思っています。
料理+後片付け能力。
地味です。
映えません。
でも体にもお財布にも優しく、一度身につければ一生使えます。
なかなか悪くない投資ではないでしょうか。

